太陽系や系外惑星系には様々な天体が存在し,各々の多様な環境下で多彩な進化を遂げました.その中には第二の地球とも呼べる惑星の表面や氷天体の地下海のように,生命を宿し得る環境の存在も明らかになっています.地球では約40億年前に生命が誕生して以来,天体と生命がともに関わり合って進化してきました.地球環境の変化が新たな生物の誕生と進化を促し,その進化がまた天体環境を変化させます.こうした惑星と生命の共進化という視点は生命の本質的な理解を深めるだけでなく,宇宙全体での生命の存在可能性を検証するためのひとつの重要な見方になるでしょう.
我々のグループでは,生命を育む天体のモデルとして地球をとらえながら,太陽系内の様々な惑星・衛星や氷天体,系外惑星の成り立ちと進化や,そこでの生命の可能性を検証するために,計算科学,望遠鏡観測や観測技術の開発,地球でのフィールド調査や生物学的実験,そして惑星探査などのあらゆる手法を用いて様々な研究を行っています.