岡山大学理学部地球科学科:地球科学特別講義1 (Special Lecture on Earth Science 1)
天体の内部構造と熱進化 (Interior structure and thermal evolution in planetary body)
【最終更新 10:00, September 11, 2024】
担当教員
木村淳(大阪大学大学院 理学研究科宇宙地球科学専攻 助教)junkim [at] ess.sci.osaka-u.ac.jp寺﨑英紀(岡山大学大学院 自然科学研究科地球科学専攻 教授)
授業の概要・学習目的・到達目標はシラバスを参照のこと
本講義のスタンス
地球や惑星,衛星などの進化の本質とは,熱進化です.熱進化とは天体が冷えていく歴史であり,天体ごとにその歴史が違うことで,天体間の多彩な個性が形づくられています.進化をコントロールする様々な現象やそれを駆動する素過程は大変複雑に絡み合っており,進化を正確に推定するためには複雑な計算を要する場合が多くありますが,はじめから何もかもを取り入れた複雑な理論や数値モデルを構築することには,あまり意味がありません(労は多いくせに,何が分かって何が分からないのかが分からない).むしろ,複雑に絡み合った素過程のうちどれが重要であるかを見極め,個別に分解して理解を試みることが必要です.そのためには,電卓を叩いてできる程度の比較的単純な物理的見積もりを行うアプローチが,意外と重要です.また,単に式を知っているだけではダメで,現実の現象を相手にしている以上,定量的な感覚が極めて大切です.本講義では,天体の内部やその進化という,直接には手に取れない世界の素性を推定するために必要な方法を理解して頂きます.授業日程・計画
場所:岡山大学理学部本館2階 24講義室
- 2時限:本講義の概要説明,太陽系天体の概要:氷天体の世界
- 3-4時限:天体内部構造論:平均密度と組成比
- 5-6時限:天体内部構造論:慣性モーメントと内部層構造
- 2時限:天体内部構造論:圧力構造,静水圧平衡,状態方程式
- 3-4時限:内部熱進化論:熱源と熱輸送過程(放射・伝導)
- 5-6時限:内部熱進化論:熱輸送過程(対流),熱進化モデル
- 7時限:内部熱進化論:レオロジー(流動則と変形機構)
- 2時限:内部熱進化論:レオロジー(流動則),粘弾性モデル
- 3-4時限:氷天体の最新の話題,最終課題提示
- 5-6時限:セミナー:氷岩石微惑星の集積成長と熱進化~水質変成から金属分離まで~
講義での諸注意
授業評価
課題へのフィードバック
公開終了.