木星探査機JUICE搭載レーザ高度計GALAの開発チームミーティングに参加し講演するため，初のドイツ，初のベルリンへ．
9年後の打ち上げ，そして19年後のガニメデ到着を目指して．

今回も，荷物はこれだけ．	成田空港からANA207便でミュンヘンへ．機材はB777-300ERのちょっと古めのやつ（実際の航路）．	この便が発つ44番ゲートは成田空港の第一ターミナル内でも一番遠くて，出国検査場から500m以上歩くのはさすがにしんどい．
今年はプラチナステータスなので，チェックイン時にプレミアムエコノミーをゲット．幅・ピッチ・リクライン角ともに大きいのはいいが，モニタが小さすぎる（シート詳細）．	実家の栃木市上空を通過し，さらに上昇．風景は旧西方村から鹿沼市付近．	新潟市上空を通過して日本海へ出た．豪雨の影響なのだろう，濁流の信濃川が海を茶色く染めている．
GPS速度計によると802km/h．確かにそんな感じ．	1回目の機内食は和/洋のうち和を選択し，なんと釜飯．あいかわらずANAの機内食は他を圧倒するクオリティ．	たぶんシベリア上空．細かい揺れすらほとんど無い，極めて平穏なフライト．
着陸前の2回目の機内食も和を選択し，魚の照り焼きと野菜の煮付け．	行きの航路はこんな感じ．12時間は長い．やっぱりモニタ小さい．	まずはミュンヘン空港（フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港）に到着．写真が傾いているのは疲れているのか．
ここからLufthansaのベルリン行きへ乗り換え．最低気温が12℃とか出ててびびる．	乗り継ぎまで2時間あるので，左に積んであるパニーニで軽食を．ピザはちょっとでかすぎる．	沖止めされたベルリン行きA320へ搭乗．向こうに建設中なのはミュンヘン空港のターミナル2拡張サテライト．乗り込んだらCAが「本機はデュッセルドルフ行きです」とアナウンスして機内爆笑．
ベルリン，テーゲル空港に到着．ちっちゃい．ベルリンにはここともうひとつシェーネフェルト空港があるが，今年の10月にはシェーネフェルトを拡張した上で一本化され，ここは閉鎖される．	ベルリン市内，Wittenbergplatz駅近くのHotel Presidentが今回の拠点．Agoda.comで予約して一泊8500円（朝食無し）．	決して新しいとは言えないが古びてもおらず，周囲も静かでwifi無料．
自分の部屋にバスタブがなかったのは残念（ある部屋もある）．	客室から見る5時過ぎの朝焼け．時差ぼけのせいか超早起き．	ホテルの最寄り，Wittenbergplatz駅．向こうに見えるKaDeWe（Kaufhaus des Westens）はその名も「西側のデパート」という百貨店．東西に別れていた頃，西側の裕福さを誇示すべく作られたのだそうな．
Wittenbergplatz駅の内部．どうも写真が右に傾く傾向がある．時差ボケが抜けていない．	Wittenbergplatz駅の地下鉄ホーム．天井が低く，第三軌条，小ぶりなオレンジの車体はまるで銀座線である．	研究所へ行く途中，Alexanderplatzで乗り換え．広告には，久しぶりに見るオリバー・カーン．
歩行者信号はこんなデザイン．	今回の用務先，ドイツ航空宇宙センター．Deutsches Zentrum fur Luft- und Raumfahrt，略称DLR．何度見て聞いても覚えられない．	DLRのエントランスにある，ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリンの科白．私なりに訳せば「地球を間近に飛んでみて，我々の惑星が如何に不思議な存在であるか分かりました．この星を守りましょう．節制し，壊すことのないよう．」という感じ？
会議場はこちらになります．	･･･と，想像の2段くらい上を行く豪華な議場．一気に萎縮する（これで武者震いするほど度胸の据わった人間にはまだ成れていない）．	会議後は，河畔のレストランでみんなでディナー．
ぞろぞろ．	とりあえずビールで．ドレスデンのビール，ラーデベルガー（Radeberger）．	つまみも無しにビールを流し込んで難しい顔をする面々．
メインは豚肉のステーキきのこクリームソース．肉は海外らしくあまり柔らかくはなかったが，ソースが実にうまかった．	次の日の夕方はベルリン市内SバーンBerlin Schonhauser Allee駅近くのレストランへ．駅近くの教会Gethsemane Church．
		UバーンのEberswalder Strasse駅．UバーンはUndergroundの頭文字のごとく地下鉄だがここは地上に出る．
	そうこうしているうちに日が落ちた．	目的地は地元料理のレストランZum Schusterjungen．ドイツと言えばやはりソーセージとイモ．刻んで茹でた茶色いキャベツがすごく酸っぱいのは意外だった．ビールはミュンヘン産のWernesgruner．
酔い覚ましに散歩しながら帰宅．古いブルワリーを改装して劇場や博物館にしている区画．		もう一晩明けて朝．10℃台前半まで冷え込んで，寒い．
3日間予定されていた会議が2日になり，この日は終日フリーになったので観光へ出かける．		向こうに見えてきたのはシャルロッテンブルク宮殿（Schloss Charlottenburg）．手前の像は誰のだか･･･失念．
	シャルロッテンブルク宮殿は初代プロイセン国王フリードリヒ1世の妃ゾフィー・シャルロッテの夏の別荘だったのだとか．1695年から3期に分けて建てられ，完成は1790年．世界遺産である．
内部の観覧は有料だったので，入らなかった．	振り返って．	宮殿を離れて次の目標へ．
途中で見かけた荘厳な建物は，シャルロッテンブルク市庁舎（Charlottenburg Town Hall）．1899〜1905年に建造．1943年の大空襲で損壊したが1960年代に修復．	市庁舎の足下にあるRichard-Wagner Platez駅から地下鉄Uバーンへ．	UバーンHansaplatz駅で降りて10分ほど歩き，戦勝記念塔ジーゲスゾイレ（Siegessaule）へ．1864年の対デンマーク戦争，1866年の対オーストリア戦争，1870〜71年の対フランス戦争の勝利を記念し，1865〜73年に建てられた．
高さ67mの塔の上に立つのは，勝利の女神ヴィクトリア．頂上は展望台になっているがチケット売り場が激混みで諦めた．私は辛抱できないたちなのだ．	塔の足下から振り返ってHansaplatz駅方向を．	次はいよいよ，ブランデンブルク門へ向かう．この彼方まで，歩く．
ジーゲスゾイレとブランデンブルク門を結ぶ通りの右側は広大な公園．	道半ばでジーゲスゾイレを振り返る．	門が見えてきたとともに，喧噪も大きくなってきた．
ブランデンブルク門の少し手前にある，ソビエト戦争記念碑．	ソビエト戦争記念碑からのぞむブランデンブルク門．こちらからだと門の後ろ側になる．	門に到着．
	向こうに戦争記念塔ジーゲスゾイレが見える．写真がやはり右にやや傾いているのは，歩き疲れたからか．	土曜日ということもあってか，門前広場はこの賑わい．
ああん？やんのか？どこ高校だ？ 【ブランデンブルックマ（仮称）があらわれた．コマンド？】	【ブランデンブルックマをたおした．ブランデンブルックマはあつあつパニーニとかおりゆたかなコーヒーをおとしていった！】	次はドイツ連邦議会議事堂（帝国議会議事堂）（Reichstag, Deutscher Bundestag）．1884〜94年に建設されたが1933年に炎上．第2次大戦後は西ドイツ側にあったが議会としては使用されず，東西ドイツ統一後8年をかけた大改築を終え今に至る．
裏手に回る．屋上にあるガラス張りの中央ドームは内部を見学できるが事前予約要．当然，入らず．私は面倒なのが嫌いなたちなのだ．	こっからバス移動．2階建ての2階．	ブランデンブルク門近くという街のど真ん中でこういう大工事をやっているほか，至るところで工事をしているのは，ベルリンの壁崩壊以降の街作りがまだ道半ばと言うことなのだろう．
バスに5分ほど乗って，ベルリン大聖堂（Berliner Dom）へ到着．右の塔は高さ368mのベルリンテレビ塔．東独によって1965年から69年にかけて建設．	この大聖堂は．ドイツの前身プロイセン国の君主だったホーエンツォレルン王家の墓所がある．大天蓋は第2次大戦で大被害を受け，1993年に修復が完了した．	聖堂の隣，シュプレー運河にかかる橋Schlossbruckeから見る聖堂とテレビ塔．
橋のふもとにホットドッグの露店があったので，おやつ．３ユーロだったかな．こういう雑い食いもんが意外とうまい．	トラムとSバーン．ガード下では古本市をやっていた．	ドイツの新幹線，ICE（InterCity Express）．
SバーンのBerlin Friedrichstrasse駅からベルリン中央駅（Berlin Hauptbahnhof）へ向かう．	見えてきた雄大な中央駅．東西冷戦下，旧東ベルリンのベルリン東駅（Berlin Ostbahnhof）と，旧西ベルリンのベルリン動物園駅（Berlin Zoologischer Garten）とに分裂していた長距離列車拠点駅を統合する形で作られたのがこの中央駅．	2006年サッカーW杯ドイツ大会に合わせて開業した新しい駅で，なぜかIATA空港コード「QPP」が割り振られた巨大な駅だ．巨大なショッピングフロアも擁し，この特徴的な外見と相まって見事な威容を誇っている．
ちょっと一休み．	帰り道の地下鉄駅で見つけた，妙な画．作者は東京で何を見たのだろう．	焼きそば＆寿司なんて，日本人には受け容れがたい組み合わせの店が結構ある．ベトナム＆寿司とか．
この日の夕飯はUバーンBerlin Oranienburger Strasse駅近くのBotzow Privatへ．	仔牛のラグーを注文．外国でこんなに柔らかいお肉に出会えたのは初めてかもしれない．	最終日の朝は日曜．百貨店は勿論，スーパーまで休業が多く，食料調達に不自由する．仕方なくホテルで14ユーロ払って朝食．美味しいし眺めいいから許す．
さて，空港へ．Zoologisher Garten駅からテーゲル空港までバスが出ている．約５分おき．109は各停．X9はexpress．	帰りもミュンヘンで乗り継ぐのだが，当初の予定では乗り継ぎ時間が50分しかなかった．ANA公式webサイトでの乗り継ぎ検索で出てきた結果だったので，「可能な乗り継ぎ」と理解したのだが，やはり次第に不安に．	というわけでLufthansaのカウンターで「可能なら，ひと便早いやつに変えてもらえないか」と交渉．言ってみるもんですな，２時間早い便に振り替えてもらえた． ミュンヘンへはエアバス320．
1時間ほどでミュンヘンに着き，乗り継ぎまで余裕の2時間．ここはやはりビールでも．ミュンヘン正統派ビールと言えばPaulaner．あのサッカーチーム「バイエルン・ミュンヘン」のオフィシャルビールでもある．	その店構えもおしゃれ．	成田行きの搭乗口まで来ると，何やら華やかなデコレートが（手ブレ勘弁）．
この日9月1日は，ANAの成田〜ミュンヘン線にボーイング787が就航する日だったそうで，そのイベントのデコレートだったらしい．グランドスタッフがドイツの民族衣装に身を包み，プレッツェルやビールを振る舞っていたのだが，ここでそれが手に入るなら，さっきの店で飲なまきゃ良かった．	搭乗時には，搭乗証明書と記念の升が乗客にプレゼントされたのだが･･･特にこの升，かさばって邪魔！	この787．いくら新造機が出ても，ボーイングはどうももっさい．エアバスの美しい体躯を見習って欲しい．
機内はごらんの通りの悪趣味レインボー照明．	機内食は安定のクオリティ．	モニタも大きくて嬉しい．ただ，このタッチパネル式モニタは叩きすぎると前の席の人に迷惑なので注意．
2回目の機内食もすばらしい．鮭のほぐし身に高菜という黄金コンビに，煮じゃが．	ロシア沿海州を抜けて日本海へ．ゴールは近い．	写真では分かりにくいが，異なる高度で何層にも行き交う雲の立体交差が実に美しかった．
しかしそんな美しい眺めも束の間，機体右前方に巨大な黒い塊が．	とりあえずヤバそうなので避ける．	巨大積乱雲，いわゆる「スーパーセル」．この時，下では竜巻が起こり，埼玉や千葉県に被害をもたらしていた．
巨大さが分かるだろうか．雲頂が高すぎて収まりきらない．	水平スケールはこのくらい．