2008/11/17 - 11/21
Moons of the outer Solar System workshop
International Space Science Institute, Bern, Switzerland

氷衛星を取り巻く様々な物理プロセスをまとめ上げ,現状の理解を総ざらいするための会議がスイスで開かれました.参加者は会議主催者によるinvitationのみで構成された40人程度.スイスの首都ベルンで開かれたこの会議では,新しい研究成果の提示よりも様々な切り口からのレビューが中心に行われ,最終的に会議の成果を一冊の本としてまとめるのが目的です.会議の内容の濃さもさることながら,私にとって初の欧州紀行となった今回,ベルンという街の素晴らしさに息を呑みました.長い時間をかけてわざわざ足を運ぶ甲斐がある街です.

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スイスへの直行便はスイス航空の成田−チューリッヒ便のみ.毎日11:10成田発.機体はA340です.
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機内はRECAROのシートに座席モニター.映画はオンデマンド配信で快適.所詮エコノミーだけど.
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往路は約11〜12時間のフライトでチューリッヒ空港到着.Arrival gateを出たところ.

スイスをおさらい.首都はどこですか?チューリッヒじゃないですよ.ジュネーブでもありませんよ.ベルンです.
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空港の地下に鉄道駅「チューリッヒ空港駅(Zurich Flughafen)」があるので,その後の移動もラクラク.
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スイス主要都市間を結ぶ国内特急は通称「IC」.これでベルンまで1時間半.5000円くらい.2階建てです.
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1等車と2等車があり,これは2等車.自由席の2階席.
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チューリッヒ空港駅から40分ほど経ち,途中のOlten駅を通過.右に列車の先頭部分が見える.
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Olten駅付近.時間は17時頃.
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Bern(ベルン)駅へ到着.数字は番線.アルファベットはホーム内の位置の目印.例えば「食堂車はセクターBあたり,2等車はセクターB〜D」などと表す.
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Bern駅舎の屋上から見下ろす.線路左はチューリッヒ方面.右を見ると・・・
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こういう風景.線路が吸い込まれる先にBern駅のホームがある.
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駅舎屋上から東方向を眺めたパノラマ写真.原画像はサイズが大きいです.

ベルン市内.南北にAare(あーれ)川が流れ,ヘアピンの内側領域が旧市街.中央左に駅がある.
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ベルン市内の道路図.中心を東西に走るMarktGasse(まるくと通り),KramGasse(くらむ通り),GerechtigkeitsGasse(げれひてぃくかいと通り)が旧市街のメインストリート.

ベルンは人口12万7千人(2004年)で,スイス第4の都市.街の三方を囲むAare川を自然の防壁とし,その丘の上に創建されたのが街のはじまり(1191年).残る一方には城壁,堀,時計塔などが築かれたそうな.この旧市街は丸ごと「現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠」として,1983年にユネスコの世界遺産に指定された.
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Bern駅前.一等地に立つ高級ホテルSchweizerhof(しゅう゛ぁいつぁーほふ).泊まるのはここじゃないよ.
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市内には路面電車やバスが充実してて,様々な方面へ頻繁に走っている.初乗りは2 CHF(2008年11月時点で約16 0円).
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駅から1kmほど南西にある交差点Eigerplatz(あいがーぷらっつ).路面電車の停留所が見える.
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Eigerplatzの近くにあるホテルAstoria.学会中の常宿.支配人のおじさんに顔を覚えられ,会うたびに「How are you? Mr. Kimura!」と言ってくれた.
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ホテルの部屋からEigerplatzを見る.2つ前の写真は緑のトラックのあたりから撮った.
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夜のEigerplatz.この時期の日没は17時頃.
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学会会場であるInternational Space Science Institute.通称ISSI(あいしー).氷衛星の会議なので通称「ISSI Moon会議」とみんな呼んだ.
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会議場内.30〜40人程度の小規模なもの.人数が少ないだけに議論は濃い.

■ベルン雑感その1:気温

北関東生まれにとってはさほど激烈な寒さじゃないです.故郷の真冬程度(最高は10℃行かず,最低は時おり氷点下).しかしこちらは二重窓なので屋内では寒さ知らず.むしろ寒さの中20分歩いて学会会場へ行く道のりが,いい目覚ましになります.それでも学会会期の後半は冷え込みが増し,最高が5〜0℃,最低が-1〜-5℃くらいになりました.

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2日目,3日目は雲が多いものの概ねいい天気.Bern駅からアルプス方向を.
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よく見ると雲の向こうにアルプスの峰が見える.やはり一回り高い!
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駅の南東100mほどにあるBundeshaus(ぶんですはうす:House of Parliament).つまり連邦議会議事堂.
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議事堂の西隣に立つDreifalt Kirche(どらいふぁると きるひぇ.Kircheはchurch,つまり教会).市内には1km間隔くらいであちこちに大小の教会があります.
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逆に議事堂の東側,旧市街の入り口に建つ時計台Zytglogge(つぃーとぐろっけ).13世紀に建造された城門に,1530年に仕掛時計を取付けて時計塔に生まれ変わり,今も休むことなくベルンの時を刻み続ける.毎正時には人形が舞うカラクリ時計でもある.動力はゼンマイ.
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時計台から伸びるこの通り(KramGasse: クラム通り)が,旧市街のメインストリート.一定間隔で噴水があります.後ろからだけど,これは「ライオンの口を開ける巨人の噴水」.
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振り返って逆方向.両側の建物一階部分はアーケードになっていて,商店が並ぶ.二階以上は住居.
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こんな感じのアーケードが総延長6 kmも続くのは,ベルンのひとつの名物.
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道路側からアーケード内を見るとこんな感じ.店と店の間に,2階以上へ行くための扉が見える.
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旧市街はすべてこうした石畳の風景.その上を市バスや自家用車が走る.自転車もゴリゴリ走る.上に吊ってあるのは街灯(Kramgasse).
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KramGasseから1本北の通りにあるRathaus(らとはうす:Town hall:右) & St. Paul Kirche(せんとぽーる教会:左).
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その向かいにも噴水が.これは「旗手(騎手)の噴水」.
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今度はKramGasseから1本南の通りに行くと,Munster(みゅんすたー:大聖堂)が威風堂々のたたずまい.そびえ立つ尖塔は高さ100 mでスイス一の高さ.
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ぐるっと回り込んで逆側から.この大聖堂は1421年に着工し16世紀にほぼ完成した後期ゴシック建築.現在は一部回収中の尖塔は19世紀末に取り付けられた.

午後3時,大聖堂の鐘が街を包みました.聖堂の南側は広場になってます.
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聖堂の入り口では,色鮮やかな234体の彫刻で彩られた「最後の審判」のレリーフが出迎える.
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よく見ると,左側には穏やかな表情で手を合わせる人たちが.これは天国の風景.一方で右側では裸の人たちが炎の中で苦しんでいる.これは地獄の風景.どこかコミカルでもある.

■ベルン雑感その2:時間

日本との時差はマイナス8時間.例えばベルンで朝6時に目が覚めた時,日本は同じ日の午後2時です.ベルンの今の時期の日の出は7:30ごろ,日の入りは17時前.朝6時に起きても外は真っ暗で,7時頃朝食を食べているとだんだん明るくなっていきます.夜は,レストラン以外の商店はおおむね19時で閉まっちゃう.

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中に入ってみましょう.聖堂といえばどこか寒々しいイメージがあったけど,ここは珍しく暖房が効いていて快適だった.
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左側に平行移動.少し露出を上げて明るく撮ってます.
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聖堂を彩るステンドグラスのひとつ.骸骨が人間と戯れる画が並んでいる.正直,この画の持つ意味が分からないのだが,調べてみるとこれが作られた当時はペストが大流行して多くの人が亡くなったのだとか.何か関係があるのだろうか.
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たまには俺も写っとく.
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聖堂の奥へと行ってみる.ステンドグラスの右側もやはり改修中.
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こうした彫刻の持つ意味は知るべくもないが,こういう細かい造形物が何百年も残っていることに感心.
次は聖堂の尖塔に昇ってみます.
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4 CHF払い,尖塔内部の螺旋階段へ.頂上まで250段くらいあるので覚悟を.
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少しずつ上がっていく.
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もっと上がっていく.
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ガンガンガンガン上がって上がって,息が上がり目も回ったところで頂上まで行き着くと・・・
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AEDがある.てことは過去何人も発作を起こした人がいるってことだよな.
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あー疲れた.
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しかし苦労の先にはこの眺めが待っている!大聖堂から東方向.Aare川にかかる大きな石橋NydegBrucke(にーでっく ぶりゅっけ:にーでっく橋)が見える.
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大聖堂から南方向.Aare川を見下ろす.流れは右から左.実はこの地平線の向こうにアルプスが見えているのだが,普通に撮ると白飛びして写らない.露出をいじると・・・
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この通りに浮かび上がってくる白い峰峰.ここまで見えるのは,天候の悪いこの時期にしては珍しいこと.
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尖塔を多種多彩に守る彫刻のひとつ.誰だろか.
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景色を眺めているうちに陽もだいぶ傾いてきた.大聖堂から西方向.BundesHaus(議事堂)の丸屋根が見える.

■ベルン雑感その3:物価

スイスの通貨は基本的にスイスフラン(CHF)ですが,ユーロも使えます.が,隣国のユーロ圏から来た研究者もスイスフランを使ってました.
出張した時期は全世界的に急速な円高が進んでおり,ひと月前まで1 CHF = \110くらいだったのが,行った時には\80くらいになってました.そのレートで言うと,KIOSKで売っている500 mlペットボトルジュースが300円くらい.スタバみたいな店で買ったカフェラテが300 mlくらいで350円くらい.バス・路面電車の初乗りは180円くらい.チューリッヒ−ベルン間の特急(約90分)は5000円くらいです.・・・日本と似たり寄ったりですね.ってことは,以前のレートだとかなり物価が高い,とも言えます.

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さて,景色を堪能したので帰ります.尖塔そのものはあまり見てない.
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塔を降りる途中にある鐘楼.塔の中には2フロアに分かれて7つの鐘があり,うち1つは重さ10トンのスイス最大の鐘.ここにいる間に鳴り出したらとんでもないことになりそう.
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塔を降り,聖堂南側の広場から西方向を.Aare川の橋が見える.
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同じアングルで,少し位置を変えて.大聖堂は一段高い丘になっている.
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やや南向きの風景.Aare川は手前の用水路と奥の本流とに分けられている.
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旧市街の中でも最も古い(と私には見える)一角.煙突からは湯気が上がり,実にのどかな風景.下に降りてみます.
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降りてみます.
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もっと降りてみます.
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降りてきた方向.
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降りきったところ.右の石垣の上に,大聖堂の広場が.
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Aare川の方に出てみます.写真によって露光が違っててすみません.曇天は難しいんです.
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逆方向,東の方(ベルン駅から離れる方)へ歩いてみる.道路の右はAare川から引いた用水路.
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どんどん進んでみる.Schiff Laube(船のアーケードという意味?)という名の道路.
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Aare川の本流沿いに出てみる.寒すぎて紅葉はすっかり終わってました.この日は最高4℃,最低-2℃.

■ベルン雑感その4:煙たい

スイスは喫煙率はさほど高くない(むしろ低い)らしいけど,路上喫煙が禁止されておらず(旧市街は禁止?),またレストランなどでの分煙も進んでないので,あちこちで煙たい.あちこちの路上に吸い殻が散乱してるのはちょっとガッカリ.だいぶゲンナリ.女性もかなり吸っててガックシ.

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街の中で教会よりも高い建物が無いという風景は,それ自体がカルチャーショックでもあります.東京人にとっては.
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建物の1階部分はやはリこうしたアーケードになってる.
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Nydegg kirche(にーでっく教会).手前の家の屋根に洗濯物ぽいのが落ちてるけど大丈夫か.
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旧市街の東端にかかるNydegg(にーでっく)橋.この通りは川沿いなので一段低い土地.
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Nydegg橋に向かって上がっていきます.
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上がりきったところを振り返って.
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Aare川にかかるNydegg橋の上から.
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Nydegg橋からのパノラマ.原画像はサイズが大きいです.
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さて,戻ります.旧市街のメインストリートであるGerechtigkeitsGasse(げれひてぃくかいと通り)から1本北のPostGasse(ぽすと通り).建物の灯りがつき始めて,またひと味違う風情が.
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スタート地点であるZytglogge(つぃーとぐろっけ:時計台)に戻ってきた.軒先にリースらしき物があるのはXmasシーズンだからなのかは不明.
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ホテルに戻る途中の店で買ったクロワッサンとコーヒーで,疲れを癒す.ところがこのパン,中身がチョコか何かかと思ったら,コンビーフみたいなのが入ってた.おかずパンかよ・・・コーヒーの味が,実にミスマッチ.
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夕食は,ドイツ人の共同研究者らとレストランへ.こういう日本語表記があると返ってゲンナリするのは私だけだろうか.しかも発音だけ書かれてもわからねえよ.
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とりあえず野菜が多そうなのを頼んでみる.といってもレタス系と豆しかないのだが.

■ベルン雑感その5:食事

ベルンの食事は,正直言って感動したものがなかった.欧州初上陸の私にとって,他の土地の食事がどうだかは分からないが,基本的にドイツ料理に近い気はする.つまり,肉を基本に,付け合わせに違う肉料理.冗談のようだが本当だから困る.野菜といえばレタスやタマネギ,ジャガイモといった,白っぽいものしかない.後は豆.濃い色の野菜がほとんど無く,ここの人達は果たしてビタミンがちゃんと摂れているのか心配になる.パスタ系に走るのも一つの手かもしれないが,トマトソースにしろクリームソースにしろ,どこか味にコクが無く,トマト(ピューレ)の味とかチーズの味だけ,という単調さが否めず,すぐ飽きる.チーズやハム,パンは激しく美味しかったのだが,複数の食材をアレンジするテクがないんだろうか.日本の食卓は本当に多彩だ.

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そうこうしているうちに学会も最終日を終え,後は帰国の途につくのみ.と思っていたら最後の夜に雪が!
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夜が明けると雪は意外に積もっていなかった.しかしさすがに寒い.ホテル近くのEigerplatz交差点.路面電車に乗り,まずはベルン駅,そしてチューリッヒ空港へ.
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朝日を背負うベルン駅前広場.右にバス・路面電車ターミナルの大屋根.左にHeilig Geist Kirche(はいりひ がいすと教会:聖霊教会)
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来た時の逆,ベルン駅から国内特急に乗ってチューリッヒ空港(Zurich Flughafen:ちゅーりっひ ふるーくはーふぇん)へ.
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さようならベルン.いい街でした.お世話になりました.
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ベルン駅発車直後.大聖堂が見える.
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昨夜の雪は,場所によってはかなり降った模様.ベルン駅を出て15分も走ると,ご覧の積もりよう.

スイス国内の主要都市を結ぶ特急列車(IC)のベルン→チューリッヒ間.
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世界の車窓から.チューリッヒ中央駅に停車.ここから5分くらいでチューリッヒ国際空港駅へ.
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チューリッヒ空港へ到着.ここは何とか晴れ間のある空模様でホッとしたのだが・・・
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搭乗時間が近づくに連れて雲行きが怪しくなり,乗り込んだ頃には激しい雪.雪の中の離陸となりました.

 とにかくベルンは素晴らしい街でした.このネット時代,旅をせずとも雰囲気はなんとなく窺い知れますが,この目で見たリアルな景色の素晴らしさには声も出ません.私はこの地や欧州の歴史にはとんと造詣がないし,教会を訪れてもその建築様式や美術の知識がまるでないので,何がどう素晴らしいかを表現する言葉がないので,ただひたすらそこに佇んでは静かに眺め回し,直感に訴えるアングルでカメラに画を収めていました.歩けば歩くほど,何とはない路地や階段ひとつにも美しい景色が飛び込んできて,果たして此処は同じ星なのかと思うほどに刺激的です.

 外の地を目にしてここまで感動したのは初めてかもしれません.8年前,生まれて初めての海外旅行で訪れたサンフランシスコでの感動もいまだに印象強く残ってますが,今回のベルン滞在はその比ではない感激で一杯.下品な言い方をすれば,過去に訪れたシンガポールやバンコクが(私の感性では)いかにクソだったかに気付かされる.口から水を吐く半魚半獣を見て旅行気分とは,やはり騙されていたなと改めて認識.かの2つの地には,初めて訪れた事実以外の感動は大してありませんでした.

 そこに比べればここは明らかに違います.比べるのもおこがましいくらい.スイスへ発つ前は「何を好き好んでわざわざこんな遠いところまで足を運ばねばならんのだ」という思いが多少なりともありましたが,この風景を目にしてしまってはぐうの音も出ません.大聖堂の塔を登り切り,眼下には世界遺産のベルン旧市街,目線を上げると雲間に白く輝くアルプスの峰峰.こんな風景をもらって「わざわざ来るに足るのか?」などとはとても言えない.謝ります.素晴らしい.